謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

トイレに駆け込む女(怖さ★★★)

最近、10年前に起きた恐怖体験とそっくりな体験をしました。 10年前も今回も、舞台は「お店のトイレ」。 まずは10年前のことを書いてみます。 確かファミレスだったと思うのですが、個室がふたつだけの小さなトイレで、私はメイクを直していました。個室を背…

胎内記憶 その1

神社にいました。近所にある小さな神社です。 母がお賽銭を入れ、手を合わせて安産祈願をしていました。 「さあ、帰ろうか」 と、境内の急な階段を下り始めた時、まだ2歳にもなっていないくらいの姉が、その階段を転がり落ちてしまいました。 母は大きなお…

やさしい視線

10代の頃だったと思います。散らかった部屋にいたら無性に片付けたくなり、部屋の大掃除を始めました。 1時間くらい集中して片付けて、ようやく終わりが見えてきた頃。 部屋のドアは開けたまま、ちょうど廊下に背中を向けるような姿勢で雑誌を束ねていた時…

放課後のマッドサイエンティスト

放課後の教室で遊ぶのが楽しかった高学年のある日、いつもの友達数人と、いつもしているような鬼ごっこを始めたのです。 「じゃあ数えるよー!いーち、にーい!」 という友達の声に、慌ててみんな走り出しました。私だけ、教室の後ろのドアから勢い良く飛び…

10秒間タイムスリップ

幼なじみと某街道を歩いていた時に、10秒間ほどタイムスリップしてしまったことがあります。 私たちは道路沿いの、アスファルトで舗装された緩やかな坂道を下っていたはずなのですが、突然何の前触れもなく、まわりの景色が戦時中の焼け野原になってしまった…

恐ろしい母の顔(怖さ★★)

まだ保育園にも行ってない頃、機械設計をしていた母は在宅で仕事をしていました。CADができる前の時代なので、大きなデスクで図面を引いていました。 無心で仕事をしている母の近くで、多分大人しくおもちゃで遊んでいたのですが、ちょっと母にかまってほし…

生まれて初めて見た景色

「胎内記憶」という言葉が認知されて久しいですが、胎内ではなく、生まれて初めて目が見えた時の記憶を書いてみます。 胎内記憶についてもいくつかあるので、それはまた別の記事に書こうと思います。 生まれて初めて見た景色。それは色彩の乱反射でした。 と…

女神様と子猫

いかにも女神様な声で、「お別れに、来たのですよ...」と聞こえました。 夢の中で「誰がですか?」と答えると、いかにも女神様な声で 「白い、小さな子猫です。会いに来たのですが...間に合いませんでした...」 そこで目が覚めました。真夏の暑い午前中です…

庭を掘る者(怖さ★)

少しずつ怖い話も書いていきます。 私が二十歳くらいの頃、隣の家の方が他県へ引っ越しました。 私の実家は住宅街の中のちょっと入り組んだところにあるので、中古住宅では売れなそうだから隣の住人に土地を買ってもらった方がいいと考えた不動産屋さんが、…

大黒様のご利益

七福神の中にいる、左肩に大きな袋を背負い、右手に打出小槌を持ち、米俵をふみ、いかにも福々しい姿の大黒様。 その大黒様の置物に気づいたのは、子供の頃に、ひとりで留守番をしていた時でした。 普段使っていない祖母の古い箪笥の中を捜索すると、きれい…

サンタクロースに会った話

それは小3のクリスマスでした。 私にとってサンタさんは疑いようもなく「存在しているもの」だったので、「存在を暴いてやろう」とか「目撃してやろう」なんて気持ちはまったく持っていなかったのです。 きちんと眠っていると、必ずもらえるプレゼント。受…

謎はいつもそこに

子供の頃から、私の日常には不思議なことがたくさん起きていました。 それらはあまりにも自然に日常の中に溶けていたので、今こうして大人になるまで、不思議な出来事たちの不自然さに気づくことができなかったのだと思います。 そんな、謎にあふれた出来事…