まだ保育園にも行ってない頃、機械設計をしていた母は在宅で仕事をしていました。CADができる前の時代なので、大きなデスクで図面を引いていました。
無心で仕事をしている母の近くで、多分大人しくおもちゃで遊んでいたのですが、ちょっと母にかまってほしくなって母の方を見ると、図面を引いている母の後頭部に、恐ろしい形相の母の顔がくっついているのです。
その顔はまっすぐこちらを見下ろしていて、私は恐怖のあまり声を出すことも泣くこともできませんでした。
それから何年も経ち、ひとりでお風呂に入れるようになった頃。
湯気でもくもくになるのが苦手だったので、浴室のドアを2cmほど開けてお風呂に入っていた時のことです。
バスタブで鼻歌なんか歌いながら温まっていて、何となく、本当に何となく視線を感じてドアの方を振り返ると、天井に近い高さに、2cmの隙間から顔だけ出している恐ろしい母の顔がこちらを見下ろしているのです。
人間の首って2cmなんかじゃないですよね?でも、その隙間に首があり、顔だけ浴室側に出ているのです。その母の顔はドアの隙間からしばらく消えてくれませんでした。
一応、母の名誉のために書いておきますがw、虐待や暴力などは一切受けていませんw
だから不思議なのです。母の心情が生み出したモノなのか、忙しい母に対して私が感じたモノなのか、はたまた全く関係のない悪霊のいたずらなのか...
いまだによくわからない出来事です。