いかにも女神様な声で、「お別れに、来たのですよ...」と聞こえました。
夢の中で「誰がですか?」と答えると、いかにも女神様な声で
「白い、小さな子猫です。会いに来たのですが...間に合いませんでした...」
そこで目が覚めました。真夏の暑い午前中です。
汗びっしょりな体で一階に下りて行くと、ガーデニング姿の母が
「子猫が死んじゃってたのよ〜!」
と言ってきました。
「裏のアパートの駐車場でね、暑すぎたのかしら、日陰で力尽きちゃってて」
「その子、もしかして白猫じゃなかった?」
と言うと、
「やだ!なんで知ってるの〜!!」と母は怖がっていました。
まだ会ったこともない子猫が、お別れを言いに現れた。
しかも出会えなかったという、無力感しか覚えない出来事でした。
あれから10年以上経ち、今、私は白猫と暮らしています。