節分の日の夜中、隣の部屋から夫が起きてきて、一階に降りる音がしました。
水でも飲みに行ったのかな〜なんて思いながら、私もお風呂に入ろうと思って夫の部屋の前を通りがかると、いきなり夫に話しかけられました。
夫は自分の部屋から話しかけてきたのです。
「え!?下に行ったんじゃないの?」
とびっくりして言うと、
「ええ〜行ってないよ〜。猫じゃないの、それ」
いや、ドアが開く音、廊下を歩く音、階段を降りて行く音...
絶対に猫じゃなかった。。
しばらく夫の部屋で話していると、やっぱりすぐ前の廊下を誰かが歩く音がして、夫にも聞こえていました。
絶対に猫じゃなくて、成人男性くらいの感じ。
霊とかならいいけど、生身の人間だったらめちゃめちゃ怖いじゃないですか。
とりあえず二人で一階に行き、不審者がいないことと戸締りを確認。
生身の人間はいなそうなので、私はお風呂に入りました。
お風呂から出ると、キッチンで夫がお茶を淹れたりしている音がするので、私も飲もうと思いキッチンへ行くと真っ暗
真っ暗やないか〜〜い
誰もおらへんのか〜〜い
もうこれはおかしいけど、なんて言うか怖くなかったのでほっといて寝ましたw
節分なのに豆まきしなかったからかなぁ。柊、飾らなかったからかなぁ。
次の日、立春。
旧暦新年は今日5日でしたが、4日の立春は明らかにエネルギーが切り替わったのを感じました。
「俺、節分がどういうものかわかってしまった」
と、夫。
「昨日の昼間、急に暑くなったじゃん。半袖でいいくらいだったでしょ?
この時期って多分、あんな風にいきなり春っぽくなったりするんだよ。
そうなると急に木が乾燥して弾けたり軋んだりして、足音みたいに聞こえたり、木造住宅ならドン!とか鳴ったりするんだよ。
そういうのが、鬼が金棒振り回してるみたいに感じたんだよ昔の人は」
なるほど〜〜〜!
ん?でもキッチンでお茶淹れてる音は?(まあいいか
妖怪の中で「家鳴り」という小鬼は「家を軋ませる」と言われていますが、家鳴りが軋ませるというか、家が軋む現象に「家鳴り」と名付けて「妖怪」としたわけです。
そう、妖怪ってそもそも「現象」で、現象に性格と名前をつけたもの。
妖怪の面白いところは必ず社会に関わっていることで、川がないと河童は存在できないし、道がないと口裂け女は登場できないのです。
唐傘お化けは、唐傘が廃れてしまったので絶滅してしまいました。
昔、牧場の近くに住んでいた時に牛と人間のミックス「件(くだん)」が現れたことがありますが、これもやはり牧場がなければ現れなかったのかもしれません。
去年の夏、なんだかハマってしまってひたすら読んでいた「しゃばけ」シリーズ。
私、時代小説は眠くなってしまうので苦手なのに、畠中恵さんのこのシリーズは読みやすくて大好きです。
これを読み始める前に、久しぶりに金縛りにあった日があって。
なんとか金縛りを解きながら寝返りをうったら、背中でモルモットくらいの大きさの柔らかい「何か」を 踏んだんです。
その何かが「きゅわわわわ!」と声をあげたのでさらにびっくりして。
次の瞬間にはもう何もないし、辺りは静まり返っていました。
あれは何だったんだろう?と思いながら日々を過ごし、しゃばけシリーズを読み始めてみると。
出てくるんですよ、身の丈数寸の小鬼が。
「きゅわわわ」と鳴くんですよ!
それが家鳴りでした。
家鳴りはたくさんいます。
自然や空き地がどんどんなくなって妖怪たちは棲家を失い、絶滅の一途を辿っています。
ですが、日本の気候は変わらないので、湿気と関わりのある家鳴りや節分の鬼は変わらずに生き続けるんじゃないかなぁ、なんて思います。
来年は豆まきしよう。
柊も飾らなくっちゃ。