謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

私も知らない世界(怖さ★)

亡くなった祖母や、夫のおばあちゃんのことを書いてみたいと思います。

 

介護やお世話が大変だったことは大前提としても、私は痴呆の症状に少し興味を惹かれていました。

例えば、ボケ始めてから祖母はよく「滝」を見ていました。

自分の部屋やリビングの上の方を指差して、あれは本物なの?と聞くのです。

きれいな滝だねえ、とか、お坊さんがいるねえ、などと言いました。

脳の機能がどうのこうのはあると思いますが、感覚的に「あの世」に近いものを見てるのかなと思ったわけです。

 

施設のショートステイも利用していた寝たきりの祖母がある時、

 

「職員さんがね、お祭りに出てくれる人を探してるから(祖母)さん出てくれない?って言うのよ」

 

と言いました。おそらく現実の話ではありません。祖母は寝たきりですから。

 

「それでね、仕方ないから、いいですよ〜って言ってねえ、白い着物に着替えてお祭りに行ったら、黒い服着た人が大勢いてねえ。たっくさん菊の花が咲いててきれいだったのよ〜」

 

いや、それちょっと片足踏み入れてないか?

と心の中でツッコミ入れたのはいい思い出です。

祖母はそんなことを言いながらもその後2〜3年生きたので、なんて言うか、少しずつあっちに行ったりこっちに戻ってきたりする状態が「痴呆」っていう現象になるのかなと思ったのです。

ここにいるけど、多次元を行き来しているような…

時間も時空も超えたところで何かを体験しているように見えて仕方なかったです。

 

夫のおばあちゃんのエピソードでは、親戚の葬儀に車椅子で連れて行った時のこと。

お顔が見えるように、おばあちゃんを両脇から抱えて棺に近づけてあげると、まじまじとお顔を見てから、

 

「 悲しい。悲しいねえ…

 

ところで、この、隣で目を開けてる人は誰だい?」

 

と、故人の顔の横を指指すのです。もちろんそこには何もありません。

おばあちゃんは本当に不思議そうな顔をしていました。

 

長く生きる者だけが見られる世界。

私たちがそこへ行くには、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんありますね。

 

今日も1日頑張りましょう。