謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

春をゆく船に乗って 3

 

改めまして、ありがとうございました!

 

 

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初対面同士もいるメンバーで、何も決めずに完全即興のパフォーマンスでした。

 

4人とも内心スリリングな気持ちで挑みましたが、完全調和だったと思います。

 

ダンサーのミウさんと私が決めていたことはひとつだけ。

 

「インクの入った水風船を割る」

 

どう割るとかタイミングはその時にお任せでした。

 

 

一度ひとりで真っ赤なインクを入れてお風呂で割ってみたところ、お風呂中にインクが飛び散り、完全に殺人現場のそれに。。

 

パジャマで何してるんだかw

 

 

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これは余りにもショッキングすぎるぞと思い、水を少なくしてインクも優しいピンクに変更。

 

わざわざ来てくださったお客様にトラウマ植え付けるところでした( ;∀;)

 

 

開演前、終了10分前の合図だけ決めておきましょうとコソコソっと話し合い、パーカッションの久田さんが

 

「じゃあ鳥の鳴き声の笛を吹くね」

 

と言ってくださり決まったのですが、実はここで宇宙的なすれ違いが生まれていたのです。

 

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before

 

オーダーのエネルギーアートやタロットセッションもそうなんですけど、

 

ライブペインティングは特に、私は自分を透明なパイプにすることに集中しています。

 

 

我とか都合とか理想はすべて捨てて、音に溶け込んで「音になる」というか、

 

今ここに在るエネルギーを、色や形に変換する作業なんです。

 

 

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だから全貌が見えてくるまでは何になるのかわからない。

 

時々湧いてくる「このまま何にもならなかったらどうしよう」という気持ちはすぐクリーニングして、透明なパイプで在ることにまた戻ります。

 

それは今この瞬間に生きていることへの信頼なのかもしれません。

 

 

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この通り、私の視界にはキャンバスしか映りません。

 

ミウさんのダンスはおろか、マリーズと久田さんの姿なんて全く見えない。

 

だからこそ感じることだけで、せっせと筆を走らせていました。

 

 

徐々に絵の全貌も見えてきた頃、静かになった空間に鳥の鳴き声が響きました。

 

10分前だ。そろそろミウさんが私の方にくるはず。

 

 

ミウさんはクライマックスの鬼気迫るエネルギーで、口から息を吐く音をさせながら少しずつ少しずつ近づいてきます。

 

そこからは本当に不思議な世界に入り込んでしまったので、素晴らしく描写してくださったMさんのご感想から抜粋いたします。ありがとうございます。

 

 

全体でいうと、ワンシーンなんだけど。
ミウさんが、さちこさんのところに歩いて行って、手にしていた水風船を割った瞬間、さちこさんを強く抱きしめて。
ふたりが強く繋がると、そっと離れてキラキラと輝く金の絵の具を、さちこさんが手で、ミウさんの顔を撫でるように、旅立ちを惜しむように服を撫でる。

ふたりのあたたかい世界から旅立つように、と、さちこさんがそっと突き放す。

いつもの穏やかで可愛らしいさちこさんとは違う、とても圧倒的な存在感、大地のような。荘厳な存在。
あんな人、はじめてみた。

ミウさんは、そっとさちこさんから離れていく。
その顔は穏やかで安心している。

そしてまた、さちこさんは淡々と絵を描く。

 

 

 

割ること以外は決まっていなかったので、抱きしめられてすごく驚きました。

 

男でも女でもない、人間でも動物でもない力強い抱擁。

 

まれびとだったのかもしれない。

 

 

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思わず私も金色の絵の具を手に取り、ミウさんの頬を撫で、腕を撫で、服を撫でるとミウさんは自然に離れていき、

 

 

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私は手についた金色の絵の具をそのままキャンバスに塗り始めました。

 

それらをいざなってくれたのが音楽なんです。

 

どこからが私たちが決めたことで、どこからが音楽に導かれたものなのか、境目は今もわからない。

 

 

私は完全に「音」になっていたので、現れた龍の目に黄色い光を描き込んだところで、手が止まったんです。

 

無音になったから。

 

振り返るとダンスも音楽も同時に終わっていて、前を見ると絵が完成していました。

 

 

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最初にコソコソっと決めた「10分前の笛」、実は久田さんは「終了の笛」だと思っていたそうで、

 

あれ、、吹いたのに終わらないぞ、、むしろ何か始まりそうだけどここからどうするべきか?!と内心焦ったと後で仰っていました。笑

 

久田さんのパーカッションは「生き物」だと感じたし、マリーズのフルートは私に異国の山や森の景色を見せてくれました。

 

予定外のパフォーマンスに完璧な演奏とナビゲートで寄り添ってくださったお二人には心からリスペクトと感謝を捧げます。

 

 

この絵は、あの場にいてくださった皆さまのエネルギーをお借りして描いたものです。

 

本当にありがとうございました。

 

開演前に美しいちらし寿司をふるまって場を整えてくださった義父母と、

Polaarisでもプライベートでもお世話になってるさちよちゃんにも感謝です。

 

 

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そして最後に企画してくださったダンサー井上ミウに、心からリスペクトと感謝を捧げます。

 

 

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美しい衣装は中学生の娘さんが作ったもの! 

 

 

Hさんも書いてくださっていましたが、この白龍はミウさんだったんですね。

 

動画で初めて動くミウさんを見たら、納得でした!

 

 

音楽もダンスも空間も時間も、手の中に決してとどめておけないもの。

 

もしもその瞬間を写すことができたのなら、こんなに光栄なことはありません。

 

 

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この写真好きです♡