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謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

ドッペルゲンガー

高校3年生の時に「昨日N駅にいたでしょ〜」と、いろんな人に言われるようになりました。

N駅は確かに学校の最寄り駅なのですが、その頃、私はほとんど駅には行っていませんでした。それなのに、一日おきくらいに誰かに言われるのです。

言ってくる人の中にはかなり仲良い友達もいたので「見間違えるわけないじゃん」と言い張るのですが、本当に私はN駅に行ってないのです。

でも、私を見かけて「手を振ったけど気づかないで行っちゃった」と言う人はいても、そのそっくりさんと会話をした人は誰もいませんでした。

 

ある日、たまたま用事があってN駅に行った時、駅の近くで新しい雑貨屋さんを発見しました。気になったのでお店に入って雑貨を見ていると、すごくフレンドリーな店員さんが話しかけてきました。

私も人見知りしないタイプなのでノリを合わせて会話をしていると、

「いつも来てくれてありがとうね〜」

と言うのです。ん??と思い、

「いえ、ここに来たのは今日が始めてですよ」

と言うと、店員さんはなーに言ってんの〜と笑い、ギャグか何かだと思われてしまいました。でも私は本当に来たことがないのです。

多分そんな困惑が顔に出たのでしょう、店員さんは笑顔が徐々に真顔になっていき、

「え...?○○ちゃん、でしょう...?」

まじまじと私の顔を見ます。だんだん私も怖くなってきて、顔を横にふることしかできません。

店員さんの顔が青ざめて、何だか恐ろしいものを見たようにひきつっていたので、私もたまらずにお店を出て行きました。

 

その後も何度かN駅での目撃情報はありましたが、特に進展もなく、この話はおしまいです。

出会ったら死ぬと言われているドッペルゲンガーですが、意外と身近にいることもあるようです。

 

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illustration by funcy-qutton(twinkleサチコ)