小学生当時、トイレと言ったらそりゃもう花子さんでした。多分、その頃が花子さん伝説の走りだったんじゃないでしょうか。口裂け女とかも懐かしいですね。
今回は大人になってから遭遇する花子さんのお話
ではなく、小学生当時の花子さん現象について書いてみたいと思います。
もしかしたら、誰にも話したことのないお話かもしれません。
クラスメイトたちが噂している花子さんは、名前の通り女の子の幽霊で、入ってるとノックされるとか一番奥の個室に入ってるとか、はたまた便器から手が出てくるという非常に迷惑な情報まで流れていました。
私の経験上、それらの噂の中で合っていたのは
「一番奥の個室に入ってる」
これだけです。しかも
入っているのは「男性」!
何度かトイレに入ろうとした時に、一番奥の個室から男性の叫び声を聞きました。思いっきり、全力の叫び声です。もちろんすごい音量です。
しかし、一緒にいる友達には何も聞こえていない様子。
もしも聞こえていたなら騒然となる程の声なので、合計3回くらいそれに遭遇したのですが、毎回私にしか聞こえていなかったようです。
その男性の叫びを文字に起こすなら
「うおおおおおおおお!!!!!!」
という感じ。アラサー、アラフォーの方なら分かるかもしれませんが、当時流行っていたドラマの、吉田栄作そっくりなんですね。
もうどんだけ古い話を持ち出すんだって思いますよね。私もそう思います。
でも栄作抜きには語れないのです。
あのドラマがヒットしたのは恐らく脚本や俳優陣ではなく、栄作の熱い叫びが観る人の魂にナニカを訴えかけたからだと思うのですが、トイレの方の叫びも本当にすごい迫力だったんです。
音量、という観点から見ると、あれ以上の音量の超常現象には未だ会ったことがありません。
そういうわけで当時の私の中では、花子さんの噂を尻目に
「トイレにいるのは栄作」
という常識が出来上がったのでした。