謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

Londonミステリー旅行記 4. ARTって何だ?

 

とあるホテルのロビーに、観光客に扮したMI6(イギリス秘密情報部)の新米とボスが向かい合っていた...。

 

 

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「どうして呼び出されたかわかってるか?」

 

「...はい。例の情報屋の件ですよね?」

 

 

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「わかってるならすぐに何とかしろ。これ以上MI6の名を汚すな」

 

「イエス、ボス...!」

 

 

信頼できる情報筋によると、例の男は今日このホテルに現れるはずだ。

 

いつもあと少しのところで裏をかかれて辿り着けない存在、謎の情報屋。

 

先月ヴィクトリア・パークで起きた英国要人変死事件も、どうやらその情報屋が裏で手を引いていたようだ。

 

これ以上はMI6の名誉に関わる。もちろん俺の名誉にもだ。

 

ボスから新米扱いされるのだってもうゴメンだ。絶対に捕まえる。

 

あ!!

 

あいつだ!!

 

考えるよりも先に、体が動いて男の腕を捕まえた。

 

 

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「お前か!?英国要人殺人事件を裏で撹乱してる台湾人の情報屋はァ!!」

 

「.........。」

 

「もう情報は上がってる。どんなごまかしも効かない」

 

「ボソボソっ...」

 

「な!?お前なぜそれを...!?」

 

「ニヤニヤ」

 

 

それは地球人に紛れて暮らす宇宙人、ベガ星人の言語だった。

 

「俺は同胞だよォ。わかるだろう?MI6の新米君」

 

「どういうことだ!」

 

「お前は地球人に紛れるために自ら記憶を操作してたのさ。洗脳解除のツボを押してやろう。さあ...もうこれで大丈夫」

 

「は...!!俺は...!今まで何を...!」

 

「もう大丈夫だ。さあ一緒に帰ろう」

 

「ああ!」

 

 

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受付の男「もしもし、作戦は失敗だ。コード168、コード168!」

 

 

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着物のプレアデス星人「やっだ〜、なあに、今まで地球人だと思って生きてきちゃったのぉ?あんたどう見てもベガ星人じゃないの〜」

 

「あ、はい..お恥ずかしい限りです」

 

宇宙人ツインズ「良かったね〜、記憶が戻って♬」

 

 そして現れた黒い着物の女とともに、エレベーター型の乗り物に。

 

 

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元・新米MI6ベガ星人「あの...これは今からどこに向かうんですか?」

 

着物の女「決まってるじゃない、レセプションよ」

 

ベガ星人「レセプション...?何の?」

 

着物の女「私の展覧会のレセプションよ〜!」

 

 

 

というわけで、ジャジャン!(前置きなっが!)

 

 

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今回の目的である展覧会「A Bridge to JAPANESE ART」!ドンドンパフパフ〜

 

会場となるMenier Galleryは1870年にチョコレート工場として建てられたもので、現在はギャラリーとして国内外の現代美術家に利用されているそうです。

 

私が展示した作品はこちら「マザーアース」

 


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実は今回わたくし代表挨拶と乾杯の音頭にご指名いただきドキドキだったので、ここからはカメラをベガ星人、ではなく息子に託し、会場に40名ほど集まったところでレセプションが始まりました。

 

 

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株式会社クオリアート 櫛田社長の挨拶。

後方にいるコサージュをつけている3人は本展覧会の審査員。

左から英国王立美術家協会(RBA)会長ニック・ティドナム氏、英国王立美術家協会(RBA)副会長ミック・デイビス氏、英国王立美術家協会(RBA)会員シェリル・カルヴァー氏。

 

 

ストーンヘンジに行った後だから感覚が開いていたようで、真ん中のミック・デイビス氏を見た時に「あ、ケルト人だ!」と思いました。

 

すると、お話の中で「ウェールズ出身」と仰ってたので、ビンゴ!

 

このミック氏のスピーチがとても優しいトーンで、芸術を追求している人特有の謙虚さというか、とっても良かったです。

 

私達の肉体が衰え、滅びても、ARTは不滅のものです。 

ひとつの絵を見ても、10人いれば10通りの感想が出る。

どちらがどちらより優れているかなんて比べようがない。

技巧的に優れていれば魅力があるかと言うとそうとも言えないが、時に鋭い技術のものにふと目を奪われるのも嘘じゃない。

ARTとはミステリーだ。 

 

 

そんなことを仰っていました。 

 

そして私の番。通訳さんがいるから日本語でのスピーチだったけど、それでも緊張しました〜〜。

 

 

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スピーチが終わって席に戻ると義母が泣いててびっくり。

 

「子育てを優先して描けない時期があったからね、それを思うと泣けてしまう」

 

そうか...私は無我夢中で進んできただけだったけど、周りで見守ってくれてた人はそんな風に思ってくれるんだ、と私もじ〜ん。。

 

ちゃんと子育て頑張ってよかったな。

まわり道なんてないのかもしれないね。

 

展示をよく見てみると、海の絵と、木の絵に挟まれてマザーアースが笑っていました。

 

 

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その後、現地の方や英国王立美術家協会の皆さんとも楽しく交流させていただき、ツアーで一緒に来ている作家さん達ともお互いの作品について盛り上がり、とっても有意義な時間を過ごすことができました。(展覧会の内容についてはまた別の記事で!)

 

 

途中、夫がいないな〜とは思ってたのですが、レセプションが終わって外に出たらいたので「どこか行ってたの?」と聞くと、

 

「事件が起きた」とスマホを差し出してきます。ギャラリー前にいたら事件が起きたと。

 

スマホの画面には、動画の再生ボタン。

 

「見ればわかる」

 

と台湾人の情報屋みたいな顔。

 

 

youtubeにアップしてもらったので皆さんもどうぞ。

 

音声つきでご覧くださいませ。

 

 

youtu.be

 

 

ARTって何だろう?

 

私が美術家の皆さんと有意義な時間を過ごしている間、彼は一瞬のTime is ARTに飛び乗ったわけで。

 

ミック氏の言う通り、どちらがより優れているかなんて比べようがない。

 

だけど、私が過ごした時間と夫が過ごした時間を「どっちが"ART"?」と問えば、答えは歴然なわけで...。

 

 

What is  ART?

 

 

その答えはこれからも制作を通して探していきたいと思いますが、現時点で言い切れるのは、

 

 

やっぱりARTはエネルギーの炸裂なのだ!!ということ!!

 

 

私はまだまだだなぁ〜

 

 

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photo by 息子