高校生の頃の、ものすごく変な体験です。
高熱で頭がおかしくなっていただけかもしれません。
インフルエンザで寝込んでいた時に、苦しみながら変な夢を見ました。
なんだか胡散臭い顔の「うさぎ男」が現れて、森の中の、アリスのティーパーティーみたいなところに連れて行かれました。
でもそのパーティーの席には座らせてもらえず、「こっちこっち!」とさらに森の外れに連れて行かれるのです。
お調子者のうさぎ男に「ここだよ〜」と言われたところには、4mくらいの幅の巨大な穴が掘られていました。穴の底まではよく見えません。
私以外にも、子供や大人が4人くらい、この穴を見物していました。
うさぎ男は、この穴を掘るのがどのくらい大変だったかを力説しています。
「それで...これは何の穴なんですか?」
と聞くと、うさぎ男の目はぐるぐる泳ぎ、信用ならない作り笑顔で跳ねまわります。
「覗いて見ればわかるよお〜」
身を乗り出して覗いたら、後ろから思いっきり突き飛ばされました。
しまった、穴に落とされた!
穴は底がなく、私はどんどん落ちて行きます。
上から、うさぎ男が叫びました。
「やったー!お前を、父親と姉がいない世界に突き落としてやった!そこはそっくりだけど全然違う世界だぞ!ぎゃはははは!」
目が醒めました。体はだるいけど、熱が下がってきたのかだいぶ楽になっています。
時計を見ると、朝の9時過ぎ。
部屋を見渡してみると、いつも通りの部屋、いつも通りの景色。
でも…何かがおかしい。
そこにあるものはいつもと同じなのに、うまく作られた偽物みたいにすべてが不自然に見えるのです。熱のせいかもしれない、そう思いながら一階へ下りて行きました。
リビングでは母と祖母が紅茶を飲んでいます。
「起きてきて大丈夫?」と、母。
「お熱下がったかしら?」と、祖母。
しかし、二人とも表情がありません。どんな顔なのか、全くわからないのです。
姿は母と祖母なんだけど、形だけ精巧に作られた人形みたいに心が宿っていないと言うか...むしろ、
母ではない何かと、祖母ではない何かがそこにいる。
ふたりとも座ったまま、顔のない顔でじーっと私を見つめています。
「お父さんと(姉の名前)は?」
と言ってみました。母と祖母は顔を見合わせてから、
「お父さんは会社、お姉ちゃんは学校に行ったけど...」
と言って、また顔のない顔でこちらを見ます。
私はさっきのうさぎ男の言葉が頭から離れません。
「やったー!お前を、父親と姉がいない世界に突き落としてやった!そこはそっくりだけど全然違う世界だぞ!ぎゃはははは!」
混乱。頭から血の気が引いていきます。
寝ぼけてるだけだと思いたいのに、そう思えない現実が目の前に広がっている。
ここは知ってる日常じゃない。
異次元、という言葉が頭の中で回り始めました。
とにかく、この母と祖母のようなものから離れようと、トイレに向かいました。
トイレの向かいにある祖母の部屋の前を通りがかった時、こたつが見えたのですが、その中に、さっき落とされた穴と似た「気配」が漂っていることに気がついたのです。
ふらふらと部屋に入ってこたつ布団をめくると、視界が歪みました。
ガシャーン!と音がして、ハッとしました。こたつの上にあったはずのペン立てと湯のみが畳の上に散らばっています。
「何の音ー!?」と、母と祖母が駆け込んできます。
「どうしたの!?」
という母はいつもの母で、驚いた顔で部屋を見る祖母はいつもの祖母。
ちゃんと顔がある。さっきと全然違う!
形は同じなのに怖いくらい異質だった家の中が、見慣れた「色」を取り戻してる。
現実感をようやく感じられました。
私は「熱でふらふらして祖母のこたつにぶつかって上のモノをなぎ倒した馬鹿な娘」ということになりましたが、なんでもいいです。帰って来れたから!
後日、元気になってから、だんだんあのうさぎ男に腹が立ってきたので、異次元を垣間見た記念?に「うさぎ男を穴に突き落とし返す絵」を描きました。
アリス・イン・ワンダーランドのジョニーデップに似ていますが、これもう15年前に描いたやつです。
私が先ですよーw パクリじゃないですよーw
はい。そしてこの記事でなんと100話目!
「百物語」では、ひとり1話怖い話をしたら1本ずつロウソクを消していき、最後の100話目が終わった時に何かが起こると言われていますが...
これを読んでくださっている皆様に、とびきり嬉しいことが巻き起こりますように。
もしかしてあの怪しいブログ読んでたから!?と思わず思ってしまうような、
嬉しい奇跡があなたに起こりますように。
今日、手芸屋さんで毛糸に一目惚れしてしまったので、これからしばらく制作期間に入ろうと思います。
久しぶりに自分の中に海が現れました。
その海に潜り、自分の中を旅してみたいと思います。
そんなタイミングでギリシャのミラクルガールから写真が送られてきました。
さすがだなあ。ありがとう!
ブログのネタはまだまだたくさんあるので、今までのようなハイペースではないかもしれませんが、また更新はしていくつもりです♡
とりあえず、区切りとして。
ありがとうございました♡