謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

私の世界 11.隠されていたもの

この間、新築が出来上がるまで母が住む、仮住まいのマンションへ行ってきました。

 

間取りと部屋の感じが夢で見たものと全く同じだったので、なんだかもう笑ってしまいました。

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仏壇は、夢の中で棺があった部屋に置くことになりました。

 

「お父さんもこの家に来るかなあ」

 

と母が言ったので、夢のことを話してみました。

 

「それでドアを開けたらね、夢とは思えないくらい冷たい空気がぶわっと...」

「ぎゃあああ。ちょっと私これから一人暮らしなんだからやめてよ〜!」

 

ただの怪談扱いwちょっと待って。最後まで聞いてw

 

全部話し、だからお父さんも来ると思うけど、すでにばあばがここでお茶入れてたからね、少なくともばあばはもういると思う。と伝えると、

 

「そっか。じゃあどうせならみんな連れて来るか。」

 

と言いました。

実は母は3年前に、何人かのご先祖様を救済したのです。

その事を言ってるんだなとわかりました。

 

 

 

 

3年前 祖母が他界した時に、浄土真宗は位牌を持たない宗派だと発覚したため、これまでのご先祖様の位牌はもうまとめてお焚き上げしてもらうことになったのです。

 

位牌。こういうやつですね。

 

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お焚き上げに行く朝、母は仏壇から位牌を箱へ移していました。

その時にたまたま、ひとつだけ落としてしまったのです。

 

正確に言うと、 ちゃんと掴んだのに、なぜか上と下が半分に分かれて 下半分が落ちてしまったと言うのです。

 

なにこれ?どうして分かれるの?と、落ちた部分を拾い上げると、中が空洞になっていて何かが入っています。

 

中に入っていたのは3本の平べったい木の板で、それぞれに名前が書かれていたそうです。

それを見た瞬間、無条件に鳥肌が立ったと言っていました。

 

母はすぐに「過去帳」を調べました。

 

過去帳(かこちょう)とは、仏具の1つで、故人の戒名(法号法名)・俗名・死亡年月日・享年(行年)などを記しておく帳簿である。(wikipediaより)

 

遥か昔から代々書かれている過去帳に、その3人の名前はどこにもありませんでした。

 

何か訳があって「いないこと」にされて葬られた彼らが、長い年月を経てようやく陽のあたる場所へ出られたのです。

そのままお焚き上げしていたら、もう二度と誰の目にも触れなかった3つの名前。

母はその名前を、丁寧に過去帳に書き写しました。

 

そして念のため全部の位牌を調べたら、隠し箱のようになっていた位牌はそのひとつだけだったようです。

 

「私たぶん、ものすごくいいことしたんだと思う!」

 

母は得意気に言いました。私も心からそう思うよ!

 

そんないきさつがあったので、母はご先祖様みんなここに連れて来るか〜、と言ったのです。

大勢来るにはちょっと狭いかなと思うのですが、みんなでわいわい暮らしてもらえたら私も嬉しく思います。

 

ちなみに私は同居を申し出たのですが、自由を愛する母は

 

「一人暮らしが楽しみだから大丈夫!さみしくなったら電話するわw」

 

と言っていたので、まあちょこちょこ遊びに行くことにします◎

普段は祖母や父、ご先祖の皆様におまかせして。

 

 

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真ん中に祖母を描いたメルヘン曼荼羅 2014