謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

壮大な人違い

家族で車に乗っていました。夜のドライブです。

運転は夫、子供は助手席に座り、私は後部座席でぼんやり窓の外を眺めていました。

 

あれは、なんだろう…?

 

なにか、光る物体が空を不規則に飛んでいるのです。

 

「ねえ、あれってUFOかなぁ?」

 

私がそう言うと、夫も子供も「えー!どれどれどれ!?」と大騒ぎです。

 

「ほら、あの光ってる…」

 

不規則に動いていた光るそれは急にぴたりと動かなくなり、今度はものすごい速さでこっちへ向かってきます!

どんどん近づいて大きくなった光のかたまりは、加速に身を委ねたまま、躊躇なく後部座席の窓ガラスをぶち破って入ってきました。

 

ガシャーン!!!

 

え!?ああ、これ夢か!と、ここで気づきました。

粉々に飛び散ったガラスと、シュ〜 という音と共にもくもく揺れる煙。

 

そして隣を見ると、小さな女の子が立っていました。

 

その女の子は体長は40cmほどなのに、姿は2歳くらいに見えます。

シンプルな布の服を着て、髪は肩くらいまでのセミロング。愛らしい顔の女の子です。

車中に充満していた煙が少しずつ薄くなってきた頃、その子は口を開きました。

 

「お前か?」

 

見た目とは全然違う、迫力のある喋り方です。私を見据えて続けます。

 

「いや…違う…お前じゃない!」

 

何だか取り乱し始めました。私は直感的に「新しい魂」だと思い、同時にその子が可愛く思えてきたのです。

 

「そんな筈はない…おかしい。どこだ!?」

 

相変わらず取り乱してる女の子を、私は抱きしめました。

 

「やめろっ、離せ!ここじゃないんだ!」

 

と暴れる女の子をしっかり抱えて、

 

「いいじゃんいいじゃん、ちょっと抱っこさせてよー」

 

とぎゅうぎゅう抱きしめる私。可愛い。この子可愛い!

 

「私でもいいじゃん。ここにいなよー」

 

と言ったら、「違う!違う!」と言いながら流れ星のようにすごい速さで車の外に飛んで行ってしまいました。

 

 

ところで、私にはそっくりだと言われる友達がいます。

身近な友達はみんな「別に似てないよね」と言うのですが、初対面や知り合いくらいの人には、ふたりでいるとまず姉妹だと思われるのです。

私の両親も私達を「似てる!」と言っていましたが、その彼女がしばらくして妊娠しました。

 

そして彼女の旦那さんの夢に、小さな女の子が出てきたというのです。

 

「私は◯◯の生まれ変わりで、名前は△△だ。ここで生まれることにした」

 

話し方といい、特徴といい、私の夢に出てきたあの子にそっくりなのです。

まさか…魂でも人違いをするのでしょうか?

私達が宇宙的に見ても似ているのでしょうか?

 

先日、予定日ぴったりに出産した彼女と赤ちゃんに会いに産院を訪れると、看護師さんがにこやかに案内してくれました。

 

「お姉さんか妹さんですか?」

 

やっぱり間違われるw

もう最近はお互い否定するのがめんどくさいので「そうです〜」とか「そんなようなものです〜」と答えるようにしていますw

 

新生児は本当に尊い光を感じますね。

すべてがfresh、新品、ぴかぴか。

赤ちゃんて、いてくれるだけで周りを幸せな気持ちにしてくれます。

 

あ、彼女の赤ちゃんですか?

 

もちろん女の子です。

旦那さんの夢で名乗った名前を命名されて、すくすく成長しています。

 

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 2015 live paintting with hou-chan&Maryse@いまここカフェ杜丸