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謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

窓の異変

私の実家の裏には古いアパートがあります。二階建てで、おそらく2DKくらいの広さのその建物は、どんな人達が住んでるのか昔からよく知りません。

賃貸物件だから定期的に住人も変わるものですが、いつの時代もよくわからないのです。

 

私の両親の話をします。

母はとても現実的な上に怖がりなので、私の霊感や予知夢などを疑いはしないけど「私は霊感ないからわからない」と言って積極的に話を聞こうとはしません。

父は心霊現象とか超常現象とか大好きなのですが、まったくそういう体験はしたことがなく、私の体験談を面白がって聞いてくれます。

 

私と父がそういう話をしていると、母は「やだやだ怖い」と言って、サーっといなくなってしまうのですが、そんな母がある日、庭で別人のようになったのです。

 

季節は秋でした。庭の木々が色づいて、少しずつ冬の気配を感じ始めた頃。

落ち葉を集めて袋に入れていた母が、裏のアパートの一角を見て急に真っ青になり、

 

「大変...警察に電話しなくちゃ!」

 

と言うのです。どうしたの!?と言うと、母が指差した先、アパートの一階の小さな窓にびっしり蛾の大群が張りついているのが見えました。

 

「それがどうしたの?」

 

と聞いても答えず、慌てて家に入り、アパートの大家さんと警察へ電話してしまいました。

そして20分後、大家さんと警察の人がこじ開けた部屋から、お風呂で亡くなっている住人が発見されたのです。

浴槽で眠ってしまったようで、溺死でした。

蛾の大群が張りついていた窓はまさに、浴室だったようです。

 

母は部屋の中で何が起きているのかを一瞬で悟り、その行動には少しの迷いもありませんでした。

 

 

ねえ...

 もしかして...

 

 

めちゃくちゃ霊感あるんじゃないの?

 

 

母は相変わらず否定し続けています。理由は「怖いから」!

 私は未だに母が謎です。

 

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 illustration by funcy-qutton(twinkleサチコ)