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謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

四角い怪獣が教えてくれたこと

3歳とか4歳くらいの小さな頃、四角い怪獣がよく夢に出てきました。

それは形やサイズが自動販売機に似ていて、赤いのと青いのが2体いましたが、赤い方が出てくることが圧倒的に多かったと思います。

 

夢の中で、私は近所の土手を散歩しています。

すると、特撮ものに出てくる安っぽいモンスターのように、現実にはありえない風貌で威圧的に登場するのです。

 

私は怖くて逃げます。四角い怪獣はゆっくり追いかけてきます。

逃げ切ったと思えば違う方向から現れたり、捕まえられそうになるところで目が覚めたり。起きた時に心臓がどきどきしていた記憶があります。

 

自分が親になった今、もしかしたら保育園に入ったタイミングで見始めたのかもしれない、なんて思ったりもします。

子供なりに越えて行かなきゃいけないことって、実は大人以上にあるものだから。

そういうストレスや緊張感が生み出した怪獣なのかな?

 

四角い怪獣はたびたび夢に出てきて私を怖がらせていましたが、ある時、夢の中でひとつのことに思い当たったのです。

 

「逃げるから、追いかけてくるのかな?」

 

今でもよく覚えています。土手から大きな橋に差しかかる坂道でした。

前方から四角い怪獣がのそのそ走ってきます。私はいつものように走って引き返そうとしたのですが、急になにか強い気持ちが生まれたのです。

 

逃げるから追いかけてくるのなら、自分から飛び込んでやれ!

 

四角い怪獣に向かって走り、正面からぶつかりました!

 

 

そこで目が醒めてから、四角い怪獣はもう、それっきり一度も夢に出てきません。

子供心に「何かを乗り越えた」手応えがあったのを覚えています。

 

逃げないで正面からぶつかれば突破できる。

 

四角い怪獣が教えてくれたことは、少なからず私の人生に影響を与えました。

 

そして不思議なことに、飛び込んだときの四角い怪獣の胸の中は、どこか親みたいな温かさがあったのです。

 

幼い頃、確かに私の世界にいた「四角い怪獣」のお話でした。