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謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

金縛り スーツの男篇 (怖さ★★)

金縛りネタもたくさんあるので、少しずつ書いていきたいと思います。

 

高校生の頃だったでしょうか。夜中に金縛りに合いました。

やだなあ、またかと思いながら足元の窓の方を見ると、スーツ姿の男が立ってる。

もちろん父ではない、知らない人です。

中肉中背でわりとスラッとしたその男は、窓の外にある街灯で逆光になっていて顔まではよくわかりません。こちらを見ているわけでもなく、なんというか思いつめているような雰囲気が少しだけありました。

体は、相変わらず金縛りのままです。なんとか解こうとして体に力を入れたり悪戦苦闘していると、少しずつ掛け布団が右に引っぱられます。

首が動かないので眼球だけ動かして右の方を見ると、すぐ横で老婆が布団に潜ってこようとしているのです。

恐怖で悲鳴を上げたつもりが、金縛りで声になりません。

ぼろぼろの服を着て、しわしわの顔の小柄な老婆が、

 

「入れておくれよ...」

 

と言って布団を引っぱります。もう私は金縛りを解こうと死にものぐるいです。

私と老婆の攻防戦が続く中、ふと、さっきのスーツの男が気になりました。

さっきまで佇んでいた窓辺にはいません。あれ?と思いまわりを見ると、スーツの男は確かにいました。

 

私の布団のまわりをグルグル、もの凄い速度で歩いているのです。

 

横では、相変わらず老婆が布団に潜ろうとしています。

 

私はもう、どうしたらいいのか...わかりませんでした。