謎はいつもそこに

子供の頃から自然に生活の中にまざっていた不自然なものたちのお話。

2016-05-01から1日間の記事一覧

6番テーブルのお客さん(怖さ★)

カフェでバイトを始めたばかりの時のお話です。 そのカフェは駅前の地下にあり、モノトーンで落ち着いた雰囲気のカフェでした。 お客さんがひとりもいない時にテーブルのお砂糖の補充をしてまわっていると、 「すみません...」 女性の声です。もう一度言いま…

しじみ蝶

そ〜っと近づいて、両手でパッと捕まえる。 小学生の頃、しじみ蝶を捕まえるのにハマっていた時期があります。 小さくて、薄いグレーと紫色の混ざったような あの蝶です。 学校の敷地内にクローバーが群生しているところがあって、そこにはたくさんのしじみ…

金縛り 雪女篇(怖さ★★)

金縛りを解こうと必死になっていた、とある夜。 バンッと部屋のドアが開きました。 雪女が立っています。 季節は正直覚えていないのですが、白装束に身を包み、般若のお面をつけ、長い白髪が吹雪にさらされていました。その人のまわりだけ吹雪なんです。 雪…

金縛り スーツの男篇 (怖さ★★)

金縛りネタもたくさんあるので、少しずつ書いていきたいと思います。 高校生の頃だったでしょうか。夜中に金縛りに合いました。 やだなあ、またかと思いながら足元の窓の方を見ると、スーツ姿の男が立ってる。 もちろん父ではない、知らない人です。 中肉中…

胎内記憶 その2 ふわふわした世界

2歳とか、3歳とか、本当に小さかった頃、ひとつ気になることがありました。 もっと自分が赤ちゃんだった頃に大好きだった遊び場所が、どうもこの世界ではないみたいだと思い始めたのです。 そこはとにかくすべてがふわふわしていて、柔らかい素材で出来たカ…

ついて来る落ち葉

家から100mほど離れたところにある友達の家に向かっていた時の話です。 季節は秋で、当時私は小2でした。 うちからその友達の家までは一本道なんですが、区画整理されていない住宅街の裏道なので、道はくねくね曲がっています。 家を出発してすぐ、落ち葉の…

猫のひみつ

最近のお話です。 縁側に吊るしたハンモックで、うとうとしていた昼下がり。 半分眠っていて、半分起きているような状態だったと思います。 「なあんだ〜。ここにいたんだね」 全く知らない男の子の声がしました。中学生くらいの声です。 近づいてくる足音。…